あっという間に4月

 何の音沙汰もなくあっという間に4月。
「そういえばそういう猫見かけたな」とお寺の方からの情報。「家に来て餌食べてたよ」
「最後に見かけたのはいつ頃ですか?」3月7日以降ならこの界隈にいるという期待がまだ持てます。
「3月には見かけてないなあ」
「そうですか」
 やっぱりもうこの界隈にはいないのだ。
「オスはいなくなっちゃうんだよ。縄張り争いとかに負けたりするとね。うちで飼ってるあのオス猫と争って負けたんじゃない?」
このあたりには外を出歩いてるオス猫も何匹かいるみたいです。
「家でも先住のオス猫(リバティー)がいます。喧嘩もしましたけど、それでもちょくちょく顔を見せてました。結構うまく距離をおいてやってました」
「お宅の猫は玉、とってあるんだろう? じゃあオス扱いされないから」
 いろいろ話を聞くうちに、以前お寺で赤ちゃんを産んだという、家のリバティーにそっくりな猫(ルイにもそっくり)がルイのお母さんのようです。なんか最近その猫も見かけなくなったと、他の近所の方からそういう情報を聞いたのでそう言ったところ、
「ああその猫ね。家でずっと12年近く餌やってたけどね、車で捨ててきたよ」
「えっ?」
「家で飼ってる鳩とか金魚食べちゃったんでね」
「ちょっとかわいそう」
「餌だって十分やってたのに、鳩とか金魚、殺して食べちゃダメだろう? 恩を仇で返すようじゃ。他にも何匹か捨ててきたよ。ルールを守れないような猫じゃだめだからね。今餌やってる猫は、家で飼ってる犬とも喧嘩しないしうまくやってる。そういう猫じゃないと…」
「メス猫なのに野良として良く頑張って生きてましたね」なのに突然わけもわからず、遠くに捨てられちゃってかわいそうに…、内心、そう思うばかりでした。
「お宅が言うような猫は最近は見かけてないよ」
「そうですか。お騒がせしてすいませんでした」とそう言って別れたのですが、帰る途中、いた…と思ったのです! この忙しいご時世に、わざわざ猫を捕まえて、車に乗せて遠くに捨ててくるなどということをする人なんていない、まさかそんな、わたしの妄想、と思ってましたが、でもいたんですね。しかもルイの生活圏で。鳩を食べたとか言ってたけれど、そういえばルイも一回くらいは捕まえてきたかも…。あわてて舞い戻って、無礼は承知で尋ねずにはいられませんでした。
「あのう捨てたという猫のことなんですけど、一体どのあたりに捨ててきたんでしょうか?」
「お宅まさか僕に濡れ衣を着せる気?」と言われました。「変な言いがかり、つけないでくれる? 僕は自分で餌をやって面倒見てた猫は捨ててきたけど、悪いけど、よそ様の猫を捨てるようなことはしないから」
 そしてさらに色々言われました。「大体よそ様の家で餌を貰うような飼い方をしてるお宅って何なの? そんな飼い方をしてる人からどうたらとか言われる筋わいはない。せっかくこっちが親切に話してやったのに、濡れ衣を着せる気? 失礼な人だなあ、迷惑だからもうこっちのほうへは来ないでくれ」
 反論はしませんでした。何を言われようと覚悟の上。ただ一つ聞きたいことは、どちら方面に捨ててきたんですか? その答えだけでした。
 お昼頃、捨ててきたという町内名の方向に向かって車で行って見ましたが、、余りにも広すぎるというか漠然とし過ぎていて、結局途方にくれるばかりでした。大きな公園があり、桜の花が満開でした。平日でしたがたくさんの人で賑わっていました。とりあえず公園内を一周したり、近辺をただおろおろと歩いて、結局引き返しました。人が多過ぎる。明日早朝にでもまた来て見よう。
 近くには16日に死んでいたという情報のあったセンターもありました。場所的にも日にち的にも微妙。死んでいた猫の特徴がわかればと、再度リサイクルセンターに電話してみましたが、特徴とかはわからないとのことでした。「事故で亡くなった場合、すごいことになってることもありますから」
 さらに○○町内で、と尋ねたところ13日に一匹死んでいたそうです。やはり特徴とかはわからないそうでした。ルイは外で生活することに慣れてる猫ではありますが、突然見知らぬ土地に連れて行かれて放り出され、パニックになってしまったかも、だとしたらルイかも…、そう思ったら涙がこみ上げてきて止まりませんでした。
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「結構無く亡くなってるんですよ。ほとんど毎日です。事故ばかりじゃなくて、普通に死んでることもあります。餓死とか凍死とか…でもね無くなった猫ちゃんはみんな土に埋めてあげてますから。家も猫を飼ってますから、気持ちはわかりますよ。猫とはいえ家族の一員ですから…。まだ帰ってこないというだけで、死んだというわけではないんですから…、待っててあげて下さい。一ヶ月ぐらいして帰ってきたという連絡もきたりしてますから」
「ありがとうございます。待っててみます」と電話を切りました。  
 車に引かれていたのがルイだという確信はありません。さらに遠くへ捨てられてしまったという確信もありません。確かなことはただあの日以来ぷっつりと姿を見せなくなった、という事実があるばかりです。ですのである日ひょっこり何事も無かったかのように姿を見せるかもしれませんし、仮に捨てられてしまったとして、頑張って戻って来るかもしれない、という期待も無くもありません…。でももうかれこれ一ヶ月、どうか生きていて欲しいと思うばかりですが、色々考えて、もう生きてないかもとも思えてきたり、そう思うとこれを書きながらも涙がこぼれてきてしまいます…。
 この時期、オス猫はいなくなってしまうんだよね、そのうちひょっこり帰ってくるよ、勢力荒いに負けると、もうその場所には近づかないからね…。メスを追いかけて迷子になってしまうこともあるとか。でもどれもルイに当てはまりそうもありません。今までちゃんとこの生活圏で生きてきたのですから。でもある日ぷっつりオスはいなくなることもあるらしい…とか。
 何一つ確かなことはわかりません。確かなことは、3月7日以来、ぷっつりと姿を消してしまった、その事実だけです。
 
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