秋晴れ

 ここ数日気持ちの良い秋晴れ日和です。空を見上げると、雲一つありません。洗濯物がよく乾きます。吹く風も爽やか。でも朝晩はだいぶ涼しくなって、いつの間にか陽が沈むのも早くなりました。

秋晴れの爽やかな一日に(自作ショート)
読んで頂けたら嬉しいです。
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 就職活動真っ只中の女子大生。秋晴れの爽やかな一日に会社訪問に出かけたのだったが、道に迷ってしまった。近くの交番で道を尋ねた。
「都心に向かって行きたいんですけど…都心はどっちでしょうか?」
 色の浅黒い若い巡査は、ちょっとびっくりしたような顔で、「都心? 都心と言ったら、ここだって都心なんだけどなあ」と言って笑った。
「他に何か、番地とか、解らない?」
 そこへ赤い顔の若い巡査が、奥から登場。なかなかハンサムだった。黒い顔の巡査は赤い顔の巡査に、都心に向かう方向というと、どっちだろうか? と尋ねた。赤い顔も一瞬言葉を詰まらせ、それから笑った。
「そうだねぇ!」
 女子大生は生徒手帳に書き記した番地を言った。巡査達は地図を広げて、教えてくれた。
「六丁目はここからまっすぐ行って、三番目の信号当たりだな」
「そうですか」
 二人の巡査はニヤッと笑って言った。
「フーン、あっちの方を都心て言うんだ。知らなかったなあ」
 女子大生はお礼を言って、交番を出た。二人の巡査は片手を振って、見送ってくれた。
「気をつけてね」
 女子大生は振り返って軽く頭をさげた。ハンサムな巡査さんだったなあ、これっきりなんて寂しいなあ。またいつかどこかで会えたらいいな。
 映画やドラマだったら偶然ばったり再開、ということもありかも…。そうじゃないと物語りは始まらない。でも現実は…、何も始まらずただ無用に過ぎて行くだけ…だろうな、多分。そして慌しさの中で忘れて行くだけ…。
 女子大生はちょっとため息をついて、爽やかに晴れ渡った秋の空を見上げた。雲が悠々とゆったりと漂っていた。
 やがて目的の会社ビルに辿りつくっと、緊張の面持ちで、ゆっくりと階段を上って行った。

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